ISO9000(国際品質管理システム)実践企業も採用の文書管理方法の紹介


ここでは、ISO9000(国際標準化機構の品質マネジメントシステム)の実践企業においても採用されている紙資料による文書管理方法について紹介します。

この文書管理方法は実際にISO9000導入企業などでにおいて活用され、毎年実施される内部および外部監査にも十分対応できている実用的な文書管理方法の一つです。

文書管理は概ね以下に説明する4つのルールに基づいて実施されています。

【紙文書類保管方法の基本ルール】

 文書類は以下の4つの保管ルールに従って、これまで通りの紙によるフォルダーファイル(市販のA4サイズフォルダー)に保管・管理します。

紙文書類保管方法の基本ルール
ルール1: ファイルを綴じるフォルダーに管理対象とする文書・資料内容に最も相応しい「管理フォルダー名」を付ける。
ルール2: フォルダー内の文書保管分類用インデックス・タグとして以下の9つのインデックス・タグを設ける。
 「議事録」、「成果品」、「客先から」、「客先へ」、「メーカーから」、「メーカーへ」、「社内から」、「社内へ」および「参考資料」の9種類のインデックス・タグを設ける。
 なお、客先、メーカー、社内という3つの名称については、必ずしもこの名称と数に限定するものではありません。
 管理対象とする文書に応じた受・発信相手先として最も適した名称や数のインデックス名称としても問題はありません。
しかし、経験上、これら9種類のインデックスさえあれば、次に説明する各インデックス・タグに対する資料保管時の基本的分類ルールさえ覚えておけば、如何なる文書であっても保管すべきインデックス・タグを容易に判断することが出来ます。
ルール3: 下記の(1)〜(9)の文書保管分類用インデックス・タグとそこに分類保管する文書の種類の分類ルールを下記に示します。
(タグ1)
「議事録」
会議などの議事録や記録メモなどをここに分類する。
(タグ2)
「成果品」
ファイルの管理主体が(自作・外注を問わず)作成した資料や報告書などの成果品などをここに分類する。
(以下の3)〜8)までは「IO(アイ・オー)管理」と呼ばれる、いわゆる入・出文書を分離して保管するための保管方法となります。)
(タグ3)
「客先から」
管理主体から見て顧客に該当するところから得た(インプット)文書・資料などをここに分類する。
(タグ4)
「客先へ」
管理主体から見て顧客に該当するところに対して提出・送付(アウトプット)した文書・資料(控え資料)などをここに分類する。
(タグ5)
「メーカーから」
管理主体から見て発注先に該当するところから得た(インプット)文書・資料などをここに分類する。
(タグ6)
「メーカーへ」
管理主体から見て発注先に該当するところに対して提出・送付(アウトプット)した文書・資料(控え資料)などをここに分類する。
(タグ7)
「社内から」
管理主体自身の組織内部に該当するところから得た(インプット)文書・資料などをここに分類する。
(タグ8)
「社内へ」
管理主体自身の組織内部に該当するところに対して提出・送付(アウトプット)した文書・資料(控え資料)などをここに分類する。
(タグ9)
「参考資料」
上記1)〜8)には該当しないが、資料として参考となる資料や文書などをここに分類する。
(この方法で分類ルールに基づいて文書資料を管理しておくことで、該当する文書類の検索作業が格段に簡単になります。)
ルール4: 文書や資料をルール3の分類方法に従ってその該当する文書分類用インデックス・タグのもとに、その発生期日の新しいものが手前(つまり、インデックス・タグの直下には常に最も新しい発生期日の資料が時系列的に綴じられて行くことになります)になるよう、綴じてどんどん保管して行く。

以上が、紙資料による文書管理する際のISO9000実践企業でも採用されている非常に簡単で実用的な文書管理の基本ルールの一つをご紹介しました。